「床がきしむようになった」「羽アリを見かけた」「家の周りに木くずが落ちている」こんな症状に気づいたら、それはシロアリ被害のサインかもしれません。
シロアリは、日本の住宅にとって最も深刻な害虫の一つです。特に木造住宅では、土台や柱などの構造材を内部から食い荒らし、建物の耐震性を著しく低下させます。気づいたときには構造材がスカスカになっており、地震時に倒壊するリスクが高まっている、ということも珍しくありません。
しかし、シロアリ被害は早期に発見し、適切に対処すれば、建物への深刻なダメージを防ぐことができます。定期的な点検と予防処理を行うことで、長期的に家を守ることが可能です。逆に、放置すると修繕費用が数百万円規模に膨らむこともあります。
この記事では、シロアリ被害が構造に与える影響、被害の発見方法、駆除と補修の費用相場、そして予防策まで、実務的な視点から徹底解説します。木造住宅にお住まいの方、中古住宅の購入を検討している方、ぜひ最後まで読んで、大切な家を守る知識を身につけてください。
シロアリとは?日本の住宅を脅かす害虫
まず、シロアリの基本的な生態を理解しましょう。
シロアリの種類
日本の住宅に被害を与えるシロアリは、主に2種類います。
ヤマトシロアリは、日本全国に分布する最も一般的な種です。湿った木材を好み、主に床下や浴室周辺など、湿気の多い場所に生息します。被害の進行は比較的ゆっくりですが、放置すると深刻な被害に発展します。
イエシロアリは、西日本を中心に分布する種で、ヤマトシロアリより攻撃的で被害の進行が早いのが特徴です。巣の規模が大きく、数十万から百万匹のコロニーを形成します。乾いた木材でも水を運んで湿らせながら食害するため、被害範囲が広がりやすいです。
近年は、外来種のアメリカカンザイシロアリも都市部で発見されています。乾燥した木材を好み、小さなコロニーで分散して生息するため、発見と駆除が難しい厄介な種です。
シロアリの生態と活動時期
シロアリは、主に4月から7月にかけて、羽アリとなって巣から飛び立ちます。これを「群飛(ぐんぴ)」と呼び、新しいコロニーを作るための行動です。
羽アリを家の中や周辺で見かけたら、近くにシロアリのコロニーがある可能性が高いです。ただし、羽アリが飛ぶのは年に数回の短期間だけなので、羽アリを見なくても安心はできません。
シロアリは光を嫌い、基本的に土中や木材の内部で活動します。そのため、被害が外から見えにくく、発見が遅れやすいのが厄介な点です。
なぜ木材を食べるのか
シロアリは、木材に含まれるセルロースを栄養源としています。木材を食べることで、栄養を得て生きているのです。
特に、湿気を含んだ柔らかい木材を好みます。腐朽菌によって劣化した木材は、シロアリにとって格好の餌場になります。浴室や台所など、水回りの近くが被害を受けやすいのはこのためです。
シロアリ被害が構造に与える深刻な影響
シロアリが構造材を食害すると、どのような影響があるのでしょうか。
土台の被害が最も深刻
木造住宅で最も被害を受けやすいのが、基礎と木造部分をつなぐ「土台」です。
土台は建物全体の荷重を基礎に伝える重要な構造材ですが、床下にあるため湿気が多く、シロアリの被害を受けやすい部位です。土台がシロアリに食われると、建物全体の安定性が失われます。
土台の被害が進行すると、床が傾く、建具の開閉が悪くなる、壁にひび割れが入るなどの症状が現れます。最悪の場合、地震時に建物が倒壊するリスクが高まります。
柱の被害で耐震性が低下
柱もシロアリ被害を受けやすい部位です。特に、1階の柱の下部(土台との接合部分)が被害を受けることが多いです。
柱は建物の垂直荷重を支えると同時に、地震時の水平力にも抵抗する重要な構造材です。柱が食害されると、耐震性が大幅に低下し、震度5強程度の地震でも倒壊する危険性があります。
特に、隅柱(建物の四隅の柱)や通し柱(1階から2階まで通っている柱)が被害を受けると、建物全体の構造に深刻な影響を与えます。
床束・大引の被害で床が沈む
床を支える床束(ゆかづか)や大引(おおびき)も、シロアリ被害を受けやすい部材です。
床束は床を支える短い柱、大引は床束の上に乗せる横材です。これらが食害されると、床がたわんだり、沈んだり、きしんだりします。歩くと床が沈む感じがする場合、床下の構造材が被害を受けている可能性があります。
筋交いや耐力壁の被害
地震時の水平力に抵抗する筋交いや耐力壁も、シロアリの被害を受けることがあります。
筋交いは、柱と柱の間に斜めに入れる部材で、建物の変形を防ぐ役割があります。これが食害されると、耐震性が著しく低下します。壁の中に隠れているため、被害の発見が遅れやすい部位です。
構造材以外の被害
シロアリは構造材だけでなく、断熱材や壁紙、畳、家具なども食害します。
発泡スチロール系の断熱材はシロアリに食われやすく、断熱性能が低下することがあります。また、電気配線の被覆を食害して火災の原因になることもあります。
シロアリ被害の発見方法|セルフチェックのポイント
シロアリ被害は早期発見が重要です。自分でできるチェックポイントを紹介します。
羽アリの発生
最も分かりやすいサインが、羽アリの発生です。
4月から7月にかけて、家の中や周辺で羽アリを見かけたら要注意です。特に、浴室や玄関、窓際などで羽アリが大量に発生している場合、近くにシロアリのコロニーがある可能性が高いです。
ただし、羽アリには黒アリの羽アリもいます。シロアリの羽アリは、羽が4枚とも同じ大きさで、胴体がずん胴です。黒アリの羽アリは、前の羽が後ろの羽より大きく、胴体がくびれています。
蟻道(ぎどう)の発見
蟻道とは、シロアリが移動するために作るトンネル状の道です。
基礎の表面や床下の束石などに、土で作られた筋状のものが這っていたら、それが蟻道です。幅5〜10mm程度の茶色っぽい筋で、触ると簡単に崩れます。
蟻道を見つけたら、確実にシロアリがいる証拠です。すぐに専門業者に調査を依頼しましょう。
木材の空洞化
柱や土台を叩いてみて、空洞音がしたら要注意です。
シロアリは木材の内部を食い荒らすため、表面は無傷に見えても内部が空洞化していることがあります。ハンマーの柄などで軽く叩いて、「コンコン」という硬い音ではなく、「ポコポコ」という空洞音がしたら、内部が食害されている可能性があります。
また、ドライバーなどで木材の表面を軽く押してみて、簡単に凹んだり穴が開いたりする場合も、シロアリ被害を疑うべきです。
床のきしみや傾き
床を歩いたときに、以前より大きくきしむようになった、沈む感じがする場合は、床下の構造材が被害を受けている可能性があります。
ビー玉を置いて転がる、建具の開閉が悪くなったなど、床の傾きを感じる症状も、シロアリ被害のサインです。
木くずや土の堆積
柱や壁の下に、細かい木くずや砂粒のようなものが落ちていたら要注意です。
シロアリが木材を食べた後の排泄物(フン)や、蟻道を作る際にこぼれた土である可能性があります。特にアメリカカンザイシロアリの場合、乾いた砂粒状のフンを大量に排出します。
床下の点検
床下に点検口がある場合、懐中電灯を持って自分で確認することもできます。
土台や床束、基礎の状態を確認し、蟻道がないか、木材が変色・劣化していないかチェックします。ただし、床下は狭く暗いため、専門知識がないと危険な場合もあります。不安な場合は専門業者に依頼しましょう。
構造別のシロアリ被害リスク
建物の構造によって、シロアリ被害のリスクは大きく異なります。
木造住宅のリスク
木造住宅は、シロアリ被害のリスクが最も高い構造です。
土台、柱、梁、筋交いなど、主要な構造材がすべて木材でできているため、シロアリにとっては餌の宝庫です。特に在来工法(軸組工法)の場合、床下に木材が多く使われており、被害を受けやすいです。
築20年以上の木造住宅で、過去にシロアリ予防処理を一度も行っていない場合、被害を受けている可能性が非常に高いと言えます。5年に一度の予防処理が推奨されています。
鉄骨造住宅のリスク
鉄骨造住宅は、主要構造部が鉄骨のため、木造ほどのリスクはありません。
ただし、床下地や内装材、断熱材などに木材が使われている部分は、シロアリ被害を受ける可能性があります。特に、1階の床組みが木造の場合、木造住宅と同様の被害を受けることがあります。
大手ハウスメーカーの鉄骨造住宅は、シロアリ対策が施されていることが多いですが、築年数が経過すると防蟻処理の効果が切れるため、定期的な点検が必要です。
RC造住宅のリスク
RC造(鉄筋コンクリート造)は、構造材がコンクリートと鉄筋のため、シロアリ被害のリスクは非常に低いです。
ただし、完全に安全というわけではありません。床のフローリングや建具の枠、クローゼットの内装材など、木材を使用している部分は被害を受ける可能性があります。
また、RC造でも1階の床下に木材を使用している場合や、ベランダのウッドデッキなどは要注意です。
シロアリ駆除の方法と費用相場
シロアリが発見された場合、どのような駆除方法があるのでしょうか。
バリア工法(薬剤散布)
最も一般的な駆除方法が、薬剤を使用するバリア工法です。
床下の土壌や木部に薬剤を散布し、シロアリの侵入経路を遮断します。土台や柱などの木部には、ドリルで穴を開けて薬剤を注入することもあります。即効性が高く、確実に駆除できるのがメリットです。
費用相場:1階の床面積1平方メートルあたり2000円〜3000円程度です。30坪(約100平方メートル)の住宅なら、20万円〜30万円程度が目安です。
メリット:即効性が高い、確実性が高い、費用が比較的安い。
デメリット:薬剤の臭いや健康への影響を気にする人もいる、5年程度で効果が切れるため再処理が必要。
ベイト工法(毒餌)
ベイト工法は、シロアリが好む毒餌を設置し、巣ごと駆除する方法です。
家の周囲に一定間隔でベイトステーション(餌場)を設置し、シロアリが餌を巣に持ち帰ることで、コロニー全体を駆除します。薬剤を散布しないため、人やペットへの影響が少ないのがメリットです。
費用相場:初期費用が15万円〜25万円程度、年間管理費が3万円〜5万円程度です。
メリット:薬剤を散布しないため安全性が高い、環境に優しい、巣ごと駆除できる。
デメリット:効果が出るまで時間がかかる(3ヶ月〜1年程度)、継続的な管理費用がかかる、バリア工法より高額。
駆除と予防の違い
シロアリ対策には、「駆除」と「予防」の2種類があります。
駆除は、すでにシロアリがいる場合に行う処理で、現在のシロアリを退治することが目的です。予防は、シロアリがいない状態で行う処理で、今後の侵入を防ぐことが目的です。
新築時や、駆除後に再発を防ぐために予防処理を行います。予防処理の費用は駆除とほぼ同じで、1平方メートルあたり2000円〜3000円程度です。効果は5年程度持続するため、5年ごとに再処理することが推奨されています。
被害を受けた構造材の補修方法と費用
シロアリ被害を受けた構造材は、どのように補修するのでしょうか。
軽度の被害の場合
被害が表面的で、構造材の強度がまだ十分に残っている場合は、部分的な補修で済むことがあります。
被害部分を削り取り、防蟻剤を含んだ補修材で埋める、または防腐・防蟻処理をした木材で部分的に補強します。費用は被害の範囲にもよりますが、数万円〜20万円程度です。
土台の交換
土台が深刻な被害を受けている場合、土台の交換が必要になります。
建物をジャッキで持ち上げ、被害を受けた土台を取り外し、新しい土台に交換します。非常に大がかりな工事で、費用も高額になります。
費用相場:土台1本(約4m)の交換で15万円〜30万円程度です。家全体の土台を交換する場合、200万円〜400万円程度かかることもあります。
柱の交換・補強
柱が深刻な被害を受けている場合も、柱の交換または補強が必要です。
柱の交換は、土台の交換と同様に建物を支えながら行う大工事です。被害が部分的な場合は、添え柱を立てて補強する方法もあります。
費用相場:柱1本の交換で10万円〜25万円程度、添え柱による補強で5万円〜15万円程度です。
床組みの補修
床束や大引が被害を受けている場合、床組みの補修が必要です。
床材を剥がし、床束や大引を交換または補強します。比較的軽度の工事ですが、床材の張り替えも必要になるため、それなりの費用がかかります。
費用相場:6畳程度の範囲で30万円〜60万円程度です。
大規模補修の場合
被害が広範囲に及び、複数の構造材が深刻なダメージを受けている場合、大規模な補修工事が必要になります。
場合によっては、建て替えた方が経済的なこともあります。補修費用が500万円を超える場合、建て替えも選択肢に入れて検討すべきです。
シロアリ予防のための対策
シロアリ被害を防ぐために、どのような対策が有効でしょうか。
新築時の予防処理
新築時には、必ずシロアリ予防処理を行いましょう。
建築基準法では、地面から1m以内の木部に防腐・防蟻処理を行うことが義務付けられています。ほとんどのハウスメーカーや工務店は標準で処理を行っていますが、念のため確認しましょう。
予防処理の費用は、建築費に含まれていることが多いですが、別途計上される場合は坪単価2000円〜3000円程度です。
5年ごとの再処理
新築時の予防処理の効果は、約5年で切れると言われています。
5年ごとに再処理を行うことで、シロアリの侵入を防ぎ続けることができます。「まだ被害は出ていないから大丈夫」と放置せず、定期的に予防処理を行うことが重要です。
5年ごとの予防処理を継続すれば、生涯でシロアリ被害を受けるリスクを大幅に減らせます。1回20万円〜30万円の投資で、数百万円の補修費用を避けられると考えれば、決して高い投資ではありません。
湿気対策
シロアリは湿気を好むため、床下の湿気対策が重要です。
床下換気口が塞がれていないか確認する、床下に防湿シートを敷く、床下換気扇を設置するなど、床下の湿気を減らす工夫をしましょう。
浴室や台所など水回りの水漏れも、シロアリを呼び寄せる原因になります。水漏れを見つけたら、すぐに修理することが大切です。
木材を地面に直接置かない
庭に木材や段ボール、古い家具などを地面に直接置くと、シロアリの格好の餌場になります。
不要な木材は処分する、保管する場合はコンクリートブロックの上に置くなど、地面から離すことが重要です。ウッドデッキやウッドフェンスも、定期的に点検し、防腐・防蟻処理を行いましょう。
植木鉢や花壇の配置
建物の基礎に沿って植木鉢や花壇を配置すると、湿気がこもりやすく、シロアリの侵入経路になることがあります。
基礎から30cm以上離して配置する、蟻道ができていないか定期的に確認するなど、注意が必要です。
シロアリ駆除業者の選び方
シロアリ駆除は専門的な技術が必要です。信頼できる業者をどう選ぶか、ポイントを紹介します。
資格と実績の確認
まず、業者が「しろあり防除施工士」などの資格を持っているか確認しましょう。
公益社団法人日本しろあり対策協会に加盟している業者は、一定の技術水準と倫理規定を守っていると判断できます。協会のサイトで加盟業者を検索できます。
また、年間の施工実績や、地域での営業年数も参考になります。10年以上営業している地元の業者なら、ある程度信頼できると言えます。
調査・見積もりが無料か
多くの業者は、初回の調査と見積もりを無料で行っています。
複数の業者に調査を依頼し、被害の状況、駆除方法、費用を比較しましょう。3社程度に見積もりを取ることをお勧めします。
ただし、無料調査を餌に不安を煽って高額な契約を迫る悪徳業者もいます。「今すぐ契約しないと大変なことになる」などと急かす業者は要注意です。
保証制度の内容
駆除後の保証制度があるか、保証期間はどれくらいか確認しましょう。
一般的には、5年間の保証が付くことが多いです。保証期間内に再発した場合、無料で再駆除してくれるかどうかも重要なポイントです。
ただし、保証の条件(定期点検が必須など)もしっかり確認しておきましょう。
使用する薬剤の安全性
どのような薬剤を使用するのか、人体やペットへの影響はないか、確認しましょう。
最近の薬剤は人体への影響が少ない低毒性のものが主流ですが、小さなお子さんやペットがいる家庭では、より安全性の高いベイト工法を選択することも検討すべきです。
使用する薬剤の名称、安全データシート(SDS)を提示してもらえるかも確認ポイントです。
契約前の注意点
契約書の内容を必ず確認し、不明点は納得するまで質問しましょう。
施工内容、使用薬剤、保証内容、追加費用の有無などが明記されているか確認します。口頭での約束は後でトラブルになりやすいため、すべて書面で残してもらいましょう。
訪問販売で契約した場合、クーリングオフ制度(8日以内なら無条件解約可能)が適用されます。急がされて契約してしまった場合でも、冷静に考え直す時間があります。
中古住宅購入時のシロアリチェック
中古住宅を購入する際、シロアリ被害の有無を確認することは非常に重要です。
ホームインスペクションでの確認
中古住宅購入前には、ホームインスペクション(住宅診断)を受けることをお勧めします。
専門家が床下に潜って、土台や柱の状態、蟻道の有無、シロアリ被害の痕跡などを確認してくれます。費用は5万円〜10万円程度ですが、数百万円の修繕リスクを避けられると考えれば、必要な投資です。
過去の防蟻処理履歴の確認
売主に、過去のシロアリ予防処理や駆除の履歴を確認しましょう。
いつ、どの業者が、どのような処理を行ったか、保証書や領収書が残っているか確認します。5年以上前に処理を行って以降、再処理をしていない場合、購入後すぐに予防処理が必要になる可能性があります。
シロアリ被害の告知義務
売主は、重大な瑕疵(欠陥)を知っている場合、買主に告知する義務があります。
過去にシロアリ被害があった場合、それを隠して売却すると、後で損害賠償を請求できる可能性があります。ただし、売主が気づいていなかった被害については、責任を問うのが難しいこともあります。
既存住宅売買瑕疵保険の活用
中古住宅購入時に、既存住宅売買瑕疵保険に加入することも検討しましょう。
購入後にシロアリ被害などの隠れた瑕疵が見つかった場合、補修費用が保険で補償されます。保険に加入するには事前にホームインスペクションが必要ですが、安心を買うための有効な手段です。
よくある質問と注意点
シロアリに関してよく寄せられる質問をまとめました。
Q1:シロアリと黒アリの見分け方は?
羽アリの見た目で判断できます。
シロアリの羽アリは、4枚の羽がすべて同じ大きさで、胴体がずん胴です。色は黒っぽいまたは茶色っぽい色をしています。黒アリの羽アリは、前の羽が後ろの羽より大きく、胴体がくびれています。
また、シロアリの羽アリは群飛後すぐに羽を落とすため、大量の羽だけが残っていることがあります。
Q2:シロアリは鉄骨やコンクリートも食べますか?
いいえ、シロアリは鉄骨やコンクリートは食べません。
ただし、コンクリートの小さなひび割れから侵入することはあります。また、鉄骨造やRC造でも、内装材や床下地に使われている木材は食害されます。
Q3:2階や3階でもシロアリ被害はありますか?
はい、あります。特にイエシロアリは、水を運んで高い場所まで被害を広げることがあります。
また、雨漏りなどで2階の木部が湿っている場合、そこからシロアリが侵入することもあります。1階だけでなく、建物全体に注意が必要です。
Q4:DIYでシロアリ駆除はできますか?
市販の駆除剤を使った簡易的な対処は可能ですが、完全な駆除は難しいです。
シロアリのコロニーは見えない場所に広がっており、表面的な処理では根絶できません。特に構造材が被害を受けている場合、専門業者による徹底的な駆除と補修が必要です。
自己判断で対処して被害が拡大するより、早めに専門業者に相談することをお勧めします。
Q5:マンションでもシロアリ被害はありますか?
RC造のマンションは被害リスクが低いですが、ゼロではありません。
1階の住戸や、木材を多く使用している内装部分は被害を受ける可能性があります。また、共用部分のウッドデッキやベンチなどが被害を受けることもあります。
マンションの場合、管理組合が定期的に点検を行っていることが多いです。心配な場合は、管理組合に確認してみましょう。
シロアリ被害と地震の関係
シロアリ被害が耐震性に与える影響について、改めて強調しておきます。
阪神・淡路大震災での教訓
1995年の阪神・淡路大震災では、シロアリ被害を受けていた木造住宅の倒壊率が高かったことが報告されています。
調査によれば、倒壊した木造住宅の多くで、土台や柱にシロアリ被害や腐朽が見られました。新耐震基準で建てられた住宅でも、シロアリ被害があると倒壊するリスクが高まることが明らかになりました。
耐震診断とシロアリ点検
築年数が古い木造住宅では、耐震診断とシロアリ点検を同時に行うことをお勧めします。
いくら耐震補強工事を行っても、土台や柱がシロアリに食われていては意味がありません。耐震診断の際、構造材の劣化状況も含めて総合的に評価してもらいましょう。
シロアリ被害は「見えない危険」
シロアリ被害の恐ろしいところは、外から見えにくいことです。
表面上はきれいに見える家でも、内部の構造材がボロボロになっていることがあります。「まだ被害は出ていないから大丈夫」と安心せず、定期的な点検と予防処理を行うことが、家族の安全を守ることにつながります。
まとめ:シロアリ対策は構造を守る重要な投資
ここまで、シロアリ被害と構造への影響について詳しく解説してきました。最後に重要なポイントをまとめます。
シロアリ被害は構造の安全性を脅かす
シロアリは、土台や柱などの重要な構造材を内部から食い荒らし、建物の耐震性を著しく低下させます。
被害が進行すると、地震時に倒壊するリスクが高まります。特に木造住宅では、シロアリ対策を怠ることは、家族の命を危険にさらすことに等しいと認識すべきです。
早期発見・早期対処が重要
シロアリ被害は、早期に発見して対処すれば、被害を最小限に抑えられます。
羽アリの発生、蟻道の発見、床のきしみなど、異変に気づいたらすぐに専門業者に調査を依頼しましょう。放置すると、数百万円規模の補修費用がかかることもあります。
定期的な予防処理が最も経済的
シロアリ対策で最も重要なのは、被害が出る前の予防です。
新築時に予防処理を行い、5年ごとに再処理を続けることで、生涯にわたってシロアリ被害のリスクを大幅に減らせます。1回20万円〜30万円の投資で、数百万円の補修費用を避けられるのです。
「まだ被害は出ていないから」と先延ばしにせず、計画的に予防処理を行うことが、長期的には最も経済的な選択です。
信頼できる業者を選ぶ
シロアリ駆除・予防は専門的な技術が必要です。資格、実績、保証内容をしっかり確認し、信頼できる業者を選びましょう。
複数の業者から見積もりを取り、比較検討することも重要です。訪問販売で不安を煽られて契約するのではなく、冷静に判断する時間を持ちましょう。
中古住宅購入時は特に注意
中古住宅を購入する際は、必ずシロアリ被害の有無を確認しましょう。
ホームインスペクションを受ける、既存住宅売買瑕疵保険に加入するなど、購入後のリスクを減らす対策を取ることをお勧めします。購入前に被害が分かれば、価格交渉の材料にもなります。
湿気対策も忘れずに
シロアリは湿気を好みます。床下の換気、水漏れの修理、不要な木材の撤去など、日常的な湿気対策もシロアリ予防に有効です。
家の周りに木材や段ボールを放置しない、基礎周辺の風通しを良くするなど、小さな心がけの積み重ねが大切です。
最後に:家を守るのは日頃の意識
シロアリ被害は、決して他人事ではありません。日本は温暖湿潤な気候で、シロアリにとって絶好の環境です。特に木造住宅では、適切な対策を怠れば、いつ被害を受けてもおかしくありません。
大切な家を長く安全に保つために、シロアリ対策は必須の投資です。定期的な点検と予防処理、そして異変への早期対応。これらを実践することで、家族が安心して暮らせる住環境を守ることができます。
この記事が、あなたの家をシロアリ被害から守るための参考になれば幸いです。今すぐできることから始めて、大切な家を末永く守っていきましょう。